2010/01/28


 行政刷新会議へ要請

 構造改革路線の継続=「事業仕分け」を中止せよ

 特殊法人労連は1月27日、内閣府行政刷新会議へ事業仕分けに関連して要請を行いました。
 はじめに特殊法人労連は、国民が貧困と格差の構造改革路線にノーと言ってできた政権が、構造改革路線を継続して事業仕分けを行っていること、科学・芸術関係者をはじめ各方面から反論があること、仕分け対象基準や仕分け人選定基準の問題、「劇場型」の問題などを指摘しました。
 特殊法人労連は、政策を仕分けているのではなく事業を仕分けていると言うが、これからは政策的なことも含めて行うのではないかと職場の不安な声を伝えました。

 会計検査院の指摘と事業仕分けの結果では大差のない予算の削減額となり、「国民に見せること」がメインで、劇場型の対立構図にして「独立行政法人は悪だ」とされたら、職員を冒涜することになると批判しました。 刷新会議は、会計検査院や国会の決算委員会で以前から行っていたのはコンプライアンス的なものが多いが、今回の仕分けは公開性・透明性を高めたと述べました。
 特殊法人労連は透明性や公開性が必要であっても劇場型にする必要はないと反論しました。

 仕分け議論の矛盾を質問

 特殊法人労連が仕分け人の選定基準が不明瞭だと質問すると、仕分けの経験のある市職員も仕分け人になったが、今後は公募も考えていると答えました。
 法務局の乙号業務に「市場化テスト」を導入し、財団法人の職場から600名が退職せざるを得ない状況になったことを省庁側が説明しても、仕分け人からは特段の反応がなかったが、雇用問題を重視している鳩山内閣として問題ではないかと指摘しました。刷新会議は雇用については十分配慮する姿勢にあると答えました。
 続いて、奨学金については、民営化・回収強化の方向と、給費制奨学金創設の方向と180度異なる議論が併記され、矛盾しているのではないかと質問しました。また、仕分けの議論と結論が一致していない例や、公共事業では「10〜20%削減」など大雑把な数字の問題を指摘しました。刷新会議は仕分け人の議論を国会議員がまとめ、最終的には政治判断になると説明しました。
 中退金制度の事業仕分けでは、制度の仕組みを理解しないまま運営費交付金廃止・自社ビル売却方向の議論になったが、以前からの加入者に約束した運用利回りの確保や共済掛け金で購入したビルを売却しても国庫に返納されない問題を指摘しました。


【要請書】
特殊法人労連発第17号
2010年 1月27日

行政刷新会議
担当大臣 仙谷 由人殿
特殊法人等労働組合連絡協議会
議 長  岩井 孝    

       「事業仕分け」に関する要請

 行政の真の改革のためにまい進されている貴職に敬意を表します。  私たち特殊法人等労働組合連絡協議会は、独立行政法人等の公的事業の直接の担い手として、広く国民・利用者と接する現場で、法人の設立法に基づく国民生活の向上に寄与する等の理念のもとに日々業務に励んでいます。
 さて、昨年11月に行政刷新会議が行った「事業仕分け」の対象事業の中には、独立行政法人・公益法人の事業も多くありました。テレビで毎日報道されることから国民の関心も大変高く、私たちもその事業に従事する組合員がいて注目しました。しかし、「事業仕分け」の結果に対しては、学術・芸術関係者から批判的な声明が出され、直接意見が述べられるなど異論も出されています。
 私たちは、国民・利用者の意見を聴いて事業内容を見直すことは必要だと考えますが、今回の「事業仕分け」はいくつかの問題点を持っていると思います。

 第一に、自民党・公明党政権時代の構造改革路線の批判票が民主党支持に回り新政権が生まれたのに、構造改革路線の思想と手法で「事業仕分け」が行われていることです。規制を取り払い、競争を推し進め、「弱肉強食」とも言われた新自由主義の思想より、基本的人権の確立や平等が人間の幸せになると考える「友愛」を国民が支持したのですから、同じ考え方とやり方で行政改革を行うことは国民の意識とのかい離が生じます。
 「事業仕分け」について「構想日本」のホームページには、「2006年5月に制定された『行政改革推進法』や、7月の『骨太の方針』に事業仕分けの実施が明記」され、「2007年11月で国の事業仕分けについて本格論議開始」と載りました。小泉構造改革の最も盛んであったときの法や施策に導入されたと書かれています。これでは、貧困と格差の構造改革とどこが違うのでしょうか。

 第二に、学術・芸術関係者から異論が出されたように、個々の事業においてこれまでの経緯や実情を踏まえた「事業仕分け」とは言えない面があったことです。そして、対象事業の選定基準、「仕分け人」の選定基準、「仕分け」の基準など国民に見えにくい基準がいくつもありました。その後も、このことについて行政刷新会議から国民への説明はありません。

 第三に「劇場型」の問題点があります。インターネット・TV報道で臨場感ある「事業仕分け」でしたが、短時間に「攻撃的な」やり取りで結論が出されることに、「劇場型事業仕分け」では、本当の「仕分け」はできないと考えざるをえません。それぞれの事業の必要性や継続性を考えれば、約1時間という短い時間に、矢継ぎ早の質問・意見の挑発的議論で結論を出すことは、後に政治の場で議論するとしても現行の「事業仕分け」自体に本質的な問題があると考えます。
 こうたしことから、今後行われる「事業仕分け」について、以下、要請します。

                 記
 1、独立行政法人・公益法人の「事業仕分け」を当面中止すること。                                      以 上
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