2007/05/15
特殊法人労連発第38号
2007年5月9日
規制改革会議
議長 草 刈 隆 郎 殿
特殊法人等労働組合連絡協議会
議長 岩井 孝
規制改革会議「ダッシュ7」に関する要請書
構造改革が進められてきた中で、様々な歪みが現れ、それが社会の安定性を欠く原因になっていると指摘されています。特に、交通分野では行き過ぎた規制緩和によって、タクシー・トラック・観光バスなどで運転者の過労と事故の多発が社会問題になりました。労働分野では、派遣労働の拡大と偽装請負問題の関連が国会で議論されました。私たち特殊法人労連はこうした国民の安心と生活をないがしろにする、規制緩和の負の部分を改めることが重要と考えます。
1995年に『規制緩和という悪夢』を書いた経済評論家の内橋克人氏は、近著『悪魔のサイクル』で次のように規制緩和を批判しています。「規制緩和によって最初に見えてくる問題は、過度のコスト競争による賃金・労働条件の悪化、コスト削減による安全性の低下、そして利益優先による公共性の喪失です」と。今の日本の問題を端的に言い表しているといえるのではないでしょうか。
特殊法人労連はこれまで公的事業の担い手として、事業の民主化を求めて政策提言などをしてきました。規制改革会議が3月28日に公表した「重要検討課題への取組方針について(ダッシュ7)」は、私たちの提言とは異なり、国民生活に密着した部分の規制緩和をさらに進めるものでしかありません。当該の労働組合として下記の項目について貴職の見解を質すとともに、以下要請します。
記
1 「官業改革」の「独法等公法人の業務の廃止・縮小、民間開放」では、国民・利用者および当該労働者の意見を踏まえ、必要な事業の廃止・縮小、民間開放は行わないこと。
特に、都市再生事業については民間も事業を行っており、公共性が高く権利関係が複雑等の理由で民間による開発が困難な地区について都市機構が事業を行ってきた。民間の事業機会の創出を優先し、長期間かけて築き上げてきた関係権利者等との信頼関係を壊すような方法では、目的である事業の実現に支障をきたすのは明らかであり、答申から削除すること。
また、賃貸住宅事業は、2003年都市機構法成立時の国会附帯決議、「機構は、居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定める」に反すること等から、「地方公共団体への譲渡など」は行わないこと。
2 「教育・研究」の「競争的研究資金や運営交付金等の配分の在り方の検討」では、競争的資金を縮小し、安定的な運営費交付金を供給すること。
競争的資金獲得のために、研究者が研究以外の事務的業務に忙殺されているのが現状であり、研究資金を含む環境を整えることが成果にもつながると考える。運営費交付金の配分を競争原理に任せることは、研究の基盤を壊し、基礎的研究よりも目先の成果の出る研究にシフトさせるもので、長い目で見れば日本の科学技術力を低下させるものになる。
3 「医療」の「レセプトのオンライン請求の確実な推進」では、粗診につながる懸念のある診療点数の包括の拡大推進、医療行為の裁量権を奪う「画一的審査」推進と結び付けないこと。
また、オンライン請求以外の方法によるレセプト請求に対して、診療報酬を支払わないというディス・インセンティブを適用しないこと。
社会保険診療報酬支払基金の審査・支払手数料の事務費単価は、社会保険庁との協議で決定しているものであり、基金が単価を決めているのではない。誤った認識で国民にディスクローズしないこと。
レセプトのオンライン化は職員および臨時職員の雇用に大きな影響を及ぼすものであり、事業の質と信頼性を確保するために継続雇用を保障し、政府が失業者・ワーキングプアを生み出すことのないように要請する。
以上
(c)2001 Tokhoren.com. All rights reserved.